日記
2023.05.25
渡邉邸を見学させて頂きました
学び
先日、7年ぶりに関川村の渡邉邸を見学させて頂きました。
昨夏の水害で三和土が水や泥に浸かってしまったとのことでしたが、それ以上の被害がなく見学させて頂ける状況なのはありがたいことです。
渡邉邸は石置木羽葺屋根や豪雪の下の大空間を支えるための豪快な架構を持つ土間と繊細な意匠を施された座敷を持つ邸宅です。
渡邉家は豪商であり豪農でもあったことから、それぞれの館らしい要素を合わせ持った建築になったのではないかと個人的には感じました。
となると、それぞれの要素がごちゃごちゃになったり唐突にぶつかってしまいそうですが、それぞれの空間が違和感なく接続されていました。
ただ、よくよく考えてみれば日本では古来より、もともと自分たちの身近にあるものとは異なる海外の建築の形式や手法、植物等々をうまく取り込み、もともと在ったものかのようになじませることを得意としてきました。
また「庭屋一如」を表現するために縁側や軒等で中間領域を設け、内外の接点をぼかすことで内と外を緩やかにつないだりもしてきました。
渡邉邸のように豪商の館と豪農の館をうまくなじませて一つの魅力的な建築にするというのは、和の建築の本来得意とするところなのかもしれません。
今回の見学ではそれを実現するため具体的にどういう操作をしているのかまではわかりませんでしたが、次回はその点を中心に観察してみたいと思います。